ドキドキ・人事異動
3月や9月が近づくと、「自分は対象に入っているのか・・・」と不安になる旦那さんも多いと思います。
そう、ちょうどその時期は多くの企業が人事異動の内示を言い渡す時期。学生の頃の、通知表をもらう前のようなドキドキ・ワクワクの季節なんです。
転居を伴わない異動の場合、生活環境がガラッと変わるわけではないのであまり影響はありませんが、全国展開をしている企業や海外にも拠点がある企業にお勤めの方は、気が気じゃないですよね。
私が勤務していた企業は、国内のみ拠点があったので海外の心配はありませんでしたが、それでも北は北海道から南は九州まで全国展開していたので、やはり生活環境は変わります。そのため、どの支店に異動になるのかはとても重要なことでした。
異動内示を言い渡されると・・・
私は5回ほど異動を経験しています。金融関連の企業だったので、大体3~5年のタームで異動がありました。通常、直属の上司から異動内示を打診されますが、私の場合は5回とも社長から直接言われました。打診というよりは、命令です。
その際に、「通常は〇〇部長から言うんだけど、こういうミッションをして欲しいので俺から伝えることにした」と直接社長から言われた記憶があります。光栄ではありましたが、その異動先が自分の意にそぐわないものでも、
「ありがとうございます」
と言うしかありませんでした。
一般的には打診をされて、イェス・ノーを応えるのかもしれませんが、ノーという回答はあり得ません。玉突きで出るわけで、その出たところに誰を持ってくるのかは既に決まっているわけですから、内示が出た時点で個人の意思を尊重されるわけがないんですね。
私が勤務していた企業では1度だけ、内示を固辞した方がいました。地方の支店に異動の旨の内示だったようですが、その年度の最終日を待たずに会社を退職していきました。
就業規則では「内示を断ったら退職しなくてはいけない」という決まりはありませんでしたが、一般的にはそういう道を辿らざるを得ないんだろうなと思います。もしかしたら企業によって異なるかもしれませんが、多くの企業がそのような「文化」があるようです。
異動の内示があると、「まだ内示だから社内の人間には内緒にしておくように」と言われます。ただし、この約束事は往々にして守られません。それは本人の口からペロッと出てしまったり、上司の口からこぼれることもあります。
また、異動の内示は別室で言い渡されることが多く、その時期に別室に呼び出されるということはおおよその予想はできます。そしてそれは周りの職員もそのような目で見ています。別室に連れていかれ、戻ってきた際の顔は大体が沈んでいることが多いんですね。それで一発で周りの職員にバレてしまうんです。
異動は避けられない?
当然、ご家族の事情等によって転居を伴う異動はできないという場合もあります。その場合は予め人事部なりに伝えておけば、配慮はしてくれるはずです。
私は総務部で人事を担当していた時期が4年ほどありました。異動を決める際には、役員も交えて話し合いをしましたが、その際に特記事項は把握しておかなくてはいけません。
- 介護のため、異動ができない
- 子供が受験を控えており、今のタイミングでの異動は避けたい
- 共働きのため、異動の場合は単身赴任になる可能性が高い
など、それぞれの事情を把握しておく必要があります。
ただ、それらの情報は個人の情報のため、人事側では伝えてもらわない限りは把握することが出来ません。ですので、少しでもそのような事情があれば旦那さんを通して人事に伝えてもらうべきです。
異動が決まってから、「実は・・・・・」というのはルール違反なんですね。もしかしたら、旦那さんとしては異動ができないことは会社の評価上マイナスなのではないかと捉えるかもしれません。
確かに、転居を伴う異動ができないということは、企業側からすると異動候補者が減るわけですからプラスには働きませんが、かと言って評価が下がるというわけでもありません。
企業によっては、職制と言って
- 転居を伴う異動ができる職員
- 転居を伴う異動はできない職員
と区別している制度を設けている場合があります。
後者を選択することで、転居を伴う異動対象者から外れるというメリットを享受できるため、このような制度を設けている場合は活用した方が良いでしょう。(但し、「転居を伴う異動ができる職員」の職制の方が、基本給は若干高く設定されます)
異動するまでの過ごし方
内示後、異動の辞令をもって正式決定となりますが、異動するまでの期間は各企業によって異なります。
私の場合は1ヶ月間ありましたが、銀行に勤務されている方に聞くと3日間しかないというケースもありました。銀行は現金を取り扱っているため、敢えて日数を取らずに早く異動させることで、使い込みを防ぐという抑止力にもなっているようです。
ご家族がいる場合、数日間という短期間では転校の手続も出来ないため、旦那さんだけが先に転居をし、1か月後にご家族が追って転居をするというケースが多いとのこと。いずれにしても、バタバタですよね。
業務上、やらなくてはいけないことが山積していますし、社宅が用意されていない場合、自分達で見つけなくてはいけません。引っ越し業者も対応しなくてはいけないケースもあるでしょう。これらについては、改めてお伝えします。
異動は旦那さんにとってチャンス!
旦那さんの異動に対してネガティブな思いを持たれるかもしれませんが、私はチャンスと捉えるべきだと思います。
仮に旦那さんの業務内容が変わらなかったとしても、その業務に対するアプローチ(考え方や方法など)が部署によって異なることがあります。慣れるまでは大変かもしれませんが、旦那さん自身の「幅」を拡げることも出来ますし、異動先でも「旦那さんの」新しい考え方を取り入れるチャンスなんです。
新しい顧客との関係性を築くのは大変ですが、それらの経験もかならず将来的に役立つはずですし、仮にその企業を退職したとしても、経験値として残ります。この経験値というのがとても財産になってくるんです。
私が自分で事業を始めた際、過去に何度かの異動を通じて得た経験値がとても役に立っていることを実感しました。新しいことを始めた際の人間関係の構築、慣れるまでの一時的な苦しさと軌道に乗った際の喜びなど、過去に経験していたからこそ、投げ出さずに今に至るという面もあります。
また、日本の企業特有の考え方もあります。スペシャリストと言って、特定の業務に特化した職員もいますが、様々な部署を経験して昇格していくゼネラリストの方が日本では一般的です。
上に立つ者は、自分の経験値を上げておかないと、いざという時の判断がブレる危険性もあるため、そうした制度を採用しているのが日本企業独特の制度とも言えます。いずれにしても、企業側からすれば期待を込めて異動をさせるわけですから、その期待に応えることは決してマイナスにはなりません。
是非、旦那さんを優しくサポートしていただければなと思います。
それではっ。
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