今は昔。人気の高かった金融機関への就職
私が学生の頃、銀行や信用金庫といった金融機関へ就職するというのは憧れでもありました。堅い商売ですし、信用力も抜群。金融機関に就職をすると近所でも評判になるほどのステータスがありました。
金融機関はお金を扱う職種なので、就職をするのもハードルが高いですし、本来は禁止されている身辺調査も行います。私が金融機関に就職した際は、人事の方が実家まで訪問されたことがあります。
「近くまで来たのでご挨拶と思って」
そう言われました。
いきなり訪問をされたのにも驚きましたが、
余談ですが、一定程度の企業は今でも身辺調査を行っていると思います。私が上場企業で採用を担当していた際は、内定を出す前に必ず外部の情報機関を使って身辺調査を行っていました。
ネガティブな情報がある場合、採用をするわけにはいかないので最終面接に入る前に外部機関に依頼をしておき、内定を出すまでに結果を受けるようにしていました。
就職希望ランキングの変遷
ある意味では高根の花であった金融機関も、近年ではだいぶ事情が異なってきているようです。



この表は就職希望ランキングです。今から30年前、1991年度の調査では大手銀行が3行ランキングに入っていますが、10年前の2011年度は2行に、そして今年のランキングをみると1行も入っていないことが分かります。
広義で言えば、東京海上や損保ジャパンなどの保険会社が入っており、金融関連はランクインしていると言えますが、あれだけ人気の高かった銀行や信用金庫業界の人気は、今は昔、ということなのでしょう。
銀行の店舗が減っている
店舗を持たない新興フィンテックの台頭により、金融サービスはデジタルに急速に移行、銀行などのビジネスモデルの転換が進んでいます。
とは言え、世界的に見ると日本は見劣りをしており、バンキングなどの金融アプリの使用率は、
- 日本 21%
- 米国 36%
- 韓国 56%
と開きがあり、世界全体の35%と比較しても差が開いています。
ただ、安価な料金で送金できるフィンテックの台頭や、長引く低金利で本業の融資では稼ぐことが出来ず、銀行などが支店網を維持するためのコストは重くなっているそうです。
経費の削減を急務で進めなければならず、店舗削減がこれから進むと言われていますが、国内だけではなく、世界的にみても銀行店舗網の縮小が進んでいます。
国際通貨基金によると、米国では2020年の1年間で約1,500店、イタリアでは約800店減少したそうです。日本も今後数年間で1割弱にあたる1,000店舗が減る見通しだそうです。
駅前の一等地に店舗を構える銀行などは多いですが、店舗に入ってみるとガラガラということも少なくありません。混んでるのはATMだけで、窓口は暇そう・・・そんな場面に出くわしたことは1度や2度ではないはず。
今は取引状況によって、コンビニのATMでも無料で現金を引き出すことが出来ますし、振り込みなどの送金も、スマートフォンからピピっとクリックするだけで済んでしまいます。
そうなれば、必然と店舗なんて必要なくなるんですよね。っで、店舗が無くなるということは、そこで働く従業員も必要なくなるということになるため、採用人数もこれからますます縮小していく傾向にあると思われます。
地方に行くと、既に店舗の廃止がそこかしこで進んでいます。「〇〇支店と××支店の統廃合により・・・」という張り紙がされている建物を目にするようになりましたが、その動きは加速していくんでしょうね。
生き残りを掛けて
これから進む少子高齢化により、地方経済はますます疲弊していくと言われていますが、それを物語るかのように、地方銀行の合併等が加速していますよね。
報道では、
「青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行は2022年4月に経営統合し、共同で持ち株会社を設立。両行が傘下に入り、2024年4月の合併を目指す」
「福井県を地盤とする福井銀行は、同県内の福邦銀行を子会社化する」
とあり、それまで競合企業であった先との合併が現実的なモノとなってきました。
また、茨城を地盤とする筑波銀行など、複数の地銀がSBIホールディングスと資本業務提携を結ぶなど、地域や業態を超えた連携も広がっており、再編だけではなく、新たなビジネスモデルを探る動きも活発になってきています。
ダーウィンの言葉(と言われているが、実際は違うようです)で、
「この世に生き残る生物は、激しい変化にいち早く対応できたもの」
があります。
数年前と状況が異なるなんてことは、どの世界にもあり得ること。銀行などの金融業界についてもそうですが、状況の変化にいち早く対応をし、生き残るための努力をしないといけないんですよね。
数年前に起業をした私も、「今の事業に固執せず、日々情報を仕入れてチャンスを伺っていかなくては」と強く感じています。
あなたの旦那さんはいかがですか?今のお仕事は、まだまだ成長していく余地はあるでしょうか?もし、「泥船」だと感じているようであれば、行動することが重要ですよね。
それではっ。