起震車に乗って
昔は町内会単位で防災訓練があった記憶があります。空き地に集まり、消火器の使い方や油火災の危険性について、消防署の方からレクチャーを受けていました。
間近で見る消防車はとても大きく、またカッコ良かったんですね。とても印象に残っています。
同じくらい、いやそれ以上に印象に残っているのは、起震車に乗った経験です。トラックの荷台に部屋を模した空間があり、そこに入って人工的に起こした地震を体感するという起震車。
「震度4です」「震度5です」・・・というように、アナウンスされて徐々に震度が大きくなっていく起震車ですが、震度6になるとテーブルの下に潜り込んでもテーブルが動いてしまって身体が半分以上出ていたような気がします。
起震車に乗っているという意識も当然ありますし、アナウンスもあるのである程度は身構えることが出来ますが、それでも恐怖感がありました。
不意の地震では・・・
前職で仙台支店に赴任していた頃、大きな地震を経験しました。
昼前、「ドンドン・ドンドン」という音と共に、いきなり下から突き上げる衝動があり、電話の受話器がすべて吹き飛ばされました。本棚も倒れかけてきたので急いで押さえましたが、窓からは電柱がすごい勢いで揺れているのが見えました。
それでも、震度5強だったと記憶しています。
地震の揺れが収まった後、静寂が辺りを包みました。一瞬の静寂。
不意の地震では、本当に何もすることが出来ません。ともかく身の安全を守ろうとしますが脚が竦(すく)んでしまい、身の回りの状況を確認し何をすべきかなんて判断をする事は難しいなと感じました。
起震車のそれとは大違いです。心の備えが出来ているのとそうでないのとでは、こんなにも違うんだと思います。
私が出来たことと言えば、倒れかけてきた本棚を抑えることくらいで、それも自分の身を守るために無意識のうちに出た行動でした。
普段からの備え
もともと、宮城県をはじめとした東北地方は地震が多いんです。その後、私が東京に戻ってきてからも何度か大きな地震があり、2011年に東日本大震災が起こったのは記憶に新しいところです。
起震車に乗って、「揺れが来る」というのが分かっているからこそ、心構えも出来ますが、いきなり揺れが来てはどうすれば良いか分からず、パニックになってしまいます。
揺れが収まった後の避難についても、同様のことが言えると思います。
普段から
- 何を持っていくのか?
- どこに避難をするのか?
- 避難経路はどこなのか?
を準備し、把握しておかなければ、パニック状態に陥った場合には冷静な判断なんて出来やしないんでしょうね。
だからこそ、避難訓練というのが定期的に行われているのでしょうし、真剣に、自分事として、取り組むことが重要なんですね。
100均でも十分
東日本大震災以降、避難袋を我が家でも準備をするようになりました。
通信販売やホームセンターなどにも避難袋一式が売られていますが、結構な値段がします。そこで100均で揃えようとお店に行くと、避難袋に必要なものはほぼ揃っています。
- ビニール袋
- 手ぬぐい、大きなハンカチ
- 歯磨きセット
- ウエットティッシュ
- 絆創膏
- 携帯トイレ
- 水(500ml)
- 飴、チョコレート、エナジーバー
- スマートフォン充電器
- モバイルバッテリー
- LEDライト
- 防災用ホイッスル
- エマージェンシーブランケット(ビニールにアルミ箔を貼った、防寒シート)
- ボールペン、サインペン(いずれも油性)、メモ帳
他に常備薬を備えておけば立派な避難袋になります。
これらを使わなくなったリュックサックに入れて、部屋の片隅に置いています。利用する機会が無いのに越したことはありませんが、南海トラフ地震の発生も高い確率で起こると言われている今だからこそ、備えをしておく必要があります。
備えあれば患いなし
という諺がありますが、何か起こってからでは遅いということもあります。
思い立ったが吉日で、少しずつでも備えを進めていき、有事の際には慌てないようにしたいものですね。
それではっ。
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